メディカル豆知識

虫歯予防のために。フッ素ってなにが良いの?

こんにちは♪

今日は虫歯予防のための【フッ素】についてお話ししたいと思います。

・昔から虫歯ができやすい

・歯磨きはきちんとしているつもりなのに虫歯になってしまった

・歯医者さんでフッ素入りの歯磨き粉を薦められた

・海外の水道水にはフッ素が含まれていると聞いたことがあるけど何のためなんだろう

・フッ素って危険なイメージがあるけど毎日使っても大丈夫なの?

・具体的にフッ素ってどのように取り入れたらいいんだろう?

などといった疑問をお持ちの方はぜひ最後まで見ていってください☆☆☆

今回は、

①虫歯ってなに?

②フッ素を取り入れるメリット

③フッ素の危険性

④具体的なフッ素の取り入れ方

について説明していきたいと思います。

①虫歯って何?

・歯が痛くて歯医者さんへ駆け込んだら虫歯で歯の神経を取ることになった。

・歯が根っこだけになって抜歯せざるを得ないと言われた。

・硬いものを噛んだら歯が欠けてしまった。

こんな経験のある方は少なくないと思います。

虫歯とは、虫歯菌(ミュータンス菌)によって歯のカルシウムが溶かされ歯がもろくなったり欠けたりする病気です。

通常、歯はお口の中で≪脱灰=歯の成分が溶け出すこと≫と≪再石灰化=溶け出した歯の成分が再び歯に沈着すること≫を繰り返しています。このバランスが脱灰に大きく傾いた状態が続けば歯に穴が開き、いわゆる虫歯という病気を招きます。

そして恐ろしことに虫歯は1度罹患すると元に戻ることはありません。骨の骨折であれば適切に処置すれば治ることも多いのですが、歯に関してはそうはいきません。歯医者さんでも穴の開いた部分を様々な材料で詰めて噛む能力をある程度回復させることはできますが穴の開いた歯を再生させることはできません。もっと言えば失った自分の歯はどんなに時間をかけてもお金を払っても、何をしても戻ってくることはないのです。

ではどのようにすれば虫歯=歯の脱灰を防げるのでしょうか?

そこでフッ素の登場です👏

②フッ素を取り入れるメリット

フッ素には以下の役割、メリットがあります。

🦷歯の脱灰を抑制する

🦷歯の再石灰化を促進する

🦷歯の表面の構造を変えて虫歯菌に強い歯をつくる

🦷虫歯菌に酸産生を抑制する

どうでしょうか?

1つめと2つめに関してはここまで読んでくださった方には理解しやすい内容かと思います。すなわち、虫歯菌によって歯が解けるのを抑制し、歯の解けてしまった成分は再び歯に沈着させるといった素晴らしい役割を果たしてくれるのです👏

では3つめの 歯の表面の構造を変えて虫歯菌に強い歯をつくる とは一体どのような役割なのでしょうか?

通常、歯はハイドロキシアパタイトというものを主成分としています。ところがこれは虫歯菌の賛成する酸に溶けやすく虫歯になりやすいという特徴があります。そこでフッ素を使うことで歯の表面のハイドロキシアパタイトをフルオロアパタイトというものに変えてしまうのです✨このフルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトよりも酸に溶けにくく虫歯になりにくいという特徴があります👏

ラストは虫歯菌に酸産生を抑制する です。

これはそんなに難しく考えていただくことはなく、ただ単にフッ素自体が虫歯菌の酸を作る過程を邪魔することで酸の産生を抑制すると考えていただいて良いかと思います。(詳しく解説すると長くなりますし、あまり覚えるメリットもないので割愛)

ここまででフッ素の素晴らしいメリットはご理解いただけたかと思います。

虫歯予防に大活躍ですね👏✨

③フッ素の危険性

ではそんな有能なフッ素ですが危険性はないのでしょうか?

フッ素の危険性について、

・フライパンのフッ素コーティングは有害だと聞いたことがある

・フッ素には毒性があると聞いたことがある

などと聞いたことのある方もおられるのではないでしょうか?

結論から申し上げますと、フッ素について用法容量を守ったうえで使用していただくぶんには問題はございません✨

まず、虫歯予防の製品に使用されているフッ素とはフッ化ナトリウム、物フルオロリン酸といった形で使用されます。最近話題のフライパンのフッ素コーティングとは全くの別物ですのでご安心ください。

そして次に、フッ素を大量摂取した場合、毒性があるというのは事実です。

というと「やっぱり有害なものなんじゃないか!」「ここまで読んだのに使えないじゃないか!」などと思う方もおられるかもしれません。

しかしながら、私たちが普段摂取している食塩や砂糖も大量に摂取すれば毒になりますよね。水を大量摂取すれば水中毒と呼ばれる病態だって引き起こします。実際、フッ素による中毒量はわかっており、歯磨き粉であれば1回に歯磨き粉1本以上を飲み込むといったような使用方法をしない限りは中毒量に達しません。

むしろきちんとしたエビデンスもあり、世界的にも虫歯予防のために推奨されています👏

④具体的なフッ素の取り入れ方

お疲れさまでした!さくっと説明しようと思っていたところがついつい長くなってしまいました🙇

最後に実際に虫歯予防のためにフッ素を取り入れる方法をお伝えします。

🦷歯磨き粉

最近では市販の歯磨き粉の成分にフッ素を配合しているものが多くあります。現在の日本では1450ppmという濃度のものが最大濃度となっています。最近では歯の表面にフッ素を残すためにすすぎは軽めにしておくというのが推奨されています。

🦷フッ素塗布

こちらは歯医者さんでうけていただく処置になります。

年に数回、歯のクリーニングとともに家庭用歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を塗布するというものです。幼少期の乳歯や生えたての永久歯に効果的です。

🦷フッ化物洗口

こちらは歯磨きの後、フッ化物配合の洗口剤でぶくぶくうがいをするというものです。さまざまな製品がありますので用法容量を守ってお使いいただければと思います。最近では小学校等で取り組む地域もあるようですね。

ちなみにアメリカ、オーストラリアなど海外にはフロリデーションといって虫歯予防を目的に水道水にフッ素を配合する国もたくさんあるようですね。

いかがでしたでしょうか?

たくさんお伝えしましたが、結論としましては

・フッ素は虫歯予防に非常に効果的

・用法容量を守って使用すれば危険性はない

・使用方法としては歯磨き粉、フッ化物歯面塗布、フッ化物洗口などがある

ということになります✨

もちろん、フッ素の使用だけで100パーセント虫歯にならないわけではありません。歯磨き、フロスなど日常のケアにプラスしてフッ素を取り入れることで虫歯予防効果は高まります。

いつまでも食事を楽しめる未来を目指して、この記事がその第一歩になれば嬉しいです♪

それではまた次回😊🌸